財務コンサルティングBLOG

退職金の扱い

審査 | 2015年10月9日

財務コンサルタントの城戸です。

退職金を損益計算書上、どこで計上するか?

単位:千円

売上高 500,000 500,000
売上原価 400,000 400,000
売上総利益 100,000 100,000
販売費・一般管理費(内退職金) 75,000(10,000) 65,000(0)
営業利益 25,000 35,000
営業外利益 1,000 1,000
営業外損出 2,000 2,000
経常利益 24,000 34,000
特別利益 0 0
特別損出(内退職金) 0(0) 10,000(10,000)
税引前利益 24,000 24,000
税金 9,600 9,600
当期純利益 14,400 14,400

(税率は簡易的に税引前利益×40%で計算)

上記の左右の税金、当期純利益はどちらも同じ金額です。

左右の違いは、

左・・・退職金を販売費一般管理費で計上

右・・・退職金をを特別損出で計上

です。

会計上、税務上どちらでも大丈夫です。
(私の経験上、お会いした税理士さんの皆さんのコメントですが)

銀行取引を重要視するならば、

「特別損出に計上」

する方をお勧めします。

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銀行が損益計算書を見るポイントは
いろいろありますが

〇営業利益を計上しているか(=本業でしっかり儲けているか?)

〇営業利益で借入金利息の支払をできているか?

〇経常利益を計上しているか(=企業の実力として儲けているか)

以上は重要なポイントです。

銀行は

決算書をスキャナーで読み取り
システムで分析を行い
そのデータを基に格付け(=融資方針)を行います。

スキルの高い銀行担当者は
退職金という一時的な費用は
営業利益、経常利益に加算し
その企業の実力を測りますが

そうでない担当者にあたってしまうと大変です。
決算書そのままの数字が反映され、
本来の実力を正確に読み取ってもらえないことに
なりかねません。

銀行内部の作業を考えながら
正当な範囲内で決算書を作り込むことも
財務戦略上、非常に重要なポイントとなります。

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