財務コンサルティングBLOG

銀行員さんの転勤でわかること

つぶやき | 2015年1月10日

財務コンサルタントの城戸です。

取引のある銀行員さんが転勤されました。
銀行員の転勤は2年~3年周期。
長くても5年、支店長さんとなると2年。

銀行員さんがどこへ転勤し、
後任の銀行員さんがどこから転勤してくるかで、
その銀行員さん、支店長の「実力」と支店の「格」が分かります。

この取引支店の「格」を、企業経営者様は知っておくべきだと思います。

支店の「格」は、
①本店、②大店(おおみせ)と呼ばれる伝統のある名門の支店、

③支店の融資貸出金額>預金金額となる中規模店舗、

④支店の融資貸出金額<預金金額となる個人取引郊外型店舗、
と大きく分けれられます。

一概には言えませんが、
出世街道に乗っているエリート銀行員さんは①、②、

たたき上げの実力派銀行員さんは③、

人当たりのやわらかい銀行員さんは④に、勤務しているというイメージでしょうか。

支店長の融資決裁権限(=本店の審査部、融資部に稟議せずに融資を決められる)は、
①>②>③>④となります。

企業からすれば、
①、②と取引をしておいた方が調達額が多く有利となりますが、
これもまた銀行の種類や企業規模に合わせた方が良いでしょう。

年商15億円の企業がメガ銀行の本店と取引をしても、
上場会社や中堅企業の陰に隠れてしまいます。

それらの企業の調達金額が数十億円から百億円単位であるのに対し、
年商15億円の企業では多くても数千万円の融資金額に留まります。

金額の多寡に関わらず、かかる稟議の手間は一緒ですから、
金額の大きい融資案件に目が行きがちになってしますことは否めません。

大口取引先を大事にすることは、
通常のビジネスでも同じですよね。

また、企業が④と取引をすると
円滑な資金調達が難しくなることとなります。

支店長の融資決裁権限額が低く、
企業融資案件に不慣れな担当者が勤務している可能性が高いからです。

前回のブログでは
企業のステージに合った銀行と取引すべきと申しました。

ここでは、その銀行でも支店の「格」にも注意すべきとお伝えします。

次に「実力」の話です。

転勤の話に戻ります。

転勤した先が上記の①、②であれば、
支店長の人事部への押しの力が強く、
かつ担当者の頑張りが評価されたこととなります。

取引するなら、やはり銀行内で発言力と調整力のある支店長がいて、
業務に頑張る銀行員さんとが良いですよね。

転勤先を知ることで、銀行員、支店長の実力を知ることが出来るのです。

銀行員さんにこんな話をすると、
「格なんて、ないですよ~。どの支店・部署でもお客様の為に一生懸命やるだけです。」
なんて言いそうです。

銀行も企業を「格付け」してるのですから、
経営者様も銀行、支店、銀行員を格付けして良いのです。

銀行の企業の格付けがそうであるように、
銀行や銀行員さんを格付けすることと、
人としての評価とは全く違うことは、言うまでもありません。

 

 

 

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